演劇教室「スポットライトクラス」本番を終えて-キニサクハナノナ | 「演劇」の世界を通してみえるもの

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インターネット業界で働く会社員の傍らで役者修業中。「演劇」が、単なる娯楽ではなく、生活に密接し、活力を与えてくれるものとして魅了されている中、そこからみえる世界を徒然に綴ります。

3/7(土)、演劇団体「Prayers Studio」さん主催する、発表会(本番)付きの演劇教室「スポットライトクラス」を無事に終えました。

 

■スポットライトクラスとは

「スポットライトクラス」は、Prayers Studioに所属するプロの俳優さんが講師となり、一般の人たちが、趣味で楽しめるための演劇教室です。一般の人たち向けではあるものの、プロの俳優さんも学んでいる演劇メソッドをベースに、お芝居の基礎を学び、実際の台本読み、立ち稽古、リハーサル、本番までを経験し、演劇のイロハを学べる演劇ワークショッププログラムです。

 

今回は、3人芝居の3人×3チームができて、私のクラスは以下日程で開催されました。

・1回目:12月中旬 
・2回目:12月下旬  
・3~5回目:1月以降の平日夜
・6回目 3/6(金)リハーサル 
・発表会 3/7(土) 

 

■参加のきっかけ~不自然なお芝居を克服したい~

私がこのワークショップに参加した目的は、昨年(2019年)入団したアマチュアミュージカル劇団での「悩み」を解決するためでした。その「悩み」とは、

 

・どうやって台本を読んでいいのかわからない

・セリフが棒読みっぽくなってしまう

・セリフが頭に入っても、動作が不自然になってしまう

 

でした。私が初舞台を踏んだアマチュアミュージカル劇団の公演は、演出家や先輩団員さんのサポートもあり、なんとか自分のシーンを乗り越えることができましたが、終わってみてから、そもそもお芝居の基礎ができていないことを痛感していました。そこで、数々の演劇ワークショップの武者修行を始め、その1つにここの「スポットライトクラス」がありました。お芝居のメソッド、稽古、本番を一通り経験できることから、参加することを決めました。

 

■題材~小川未玲・作「キニサクハナノナ」~

本クラスで使用した戯曲は、小川未玲さん作の「キニサクハナノナ」という、3人の登場人物が出てくる短編ものです。

 

※以下、ネタバレです。

舞台は、“この世(現世)”と“あの世(死の世界)”をつなぐ“その世”の世界。戦時中にお見合いをした青年「桑島」と少女「たまこ」が、いい雰囲気で終わったものの、桑島への召集令状がきっかけで破談となり、桑島はそのまま戦地で帰らぬ人に。一方、たまこは、戦後、結婚し、ひ孫までできる生活を送り、90歳まで生きる。桑島は、お見合いのときに、たまこに思い残したことがあり、“その世”をさまよっている。そんな中、“この世”にいるたまこが“その世”に現れる。桑島は、“その世”で、たまこと再会し、思い残したことを伝えるチャンスがあらわれる。“その世”の住人「読む人」は、桑島が無事に“あの世”に行けるために、2人をサポートする。

「桑島」「たまこ」「読む人」の3人の登場人物のうち、私は「読む人」を演じることになりました。

奇しくも、自分の身内のことなども重なり、「読む人」の役にご縁を感じながら向きあいました。

 

■ワークを通じて学んだこと、経験できたこと

今回の教室では、私自身は、以下のことを学ぶことができたと思います。

 

・台本をしっかり読む(主題、背景などの分析)

・自分の役が台本の中で行う「目的」を考える

・「目的」を達成するときに、自分はどういう「感情」が湧くかを意識する

・「目的」と「感情」を共演者とすり合わせる

・「目的」を持ちながら、相手と感情の交流をする

・相手の「行動」を観察しながら、役を全うする

 

途中、色々な障害にぶつかりましたが、メソッドに忠実に試行錯誤しながら、修正していく作業を重ねました。本番を終えてからも、まだまだ課題がありますが、何も知らないで飛び込んだアマチュアミュージカル劇団で悩んでいたことを1つ1つ解消し、今後の活動で活かせそうなことをたくさん得ることができました。

 

■演じる側を経験すると観劇の見方が変わる

今回演じる側のプロセスを学ぶことで、プロの俳優さんたちの舞台を観る見方も180度変わりました。1番大きく変化したのが、劇中で繰り広げられる感情のやり取りに注目するようになったことです。観劇していて心を揺さぶられることもあれば、俳優が戯曲の目的を無視して勝手に感情を暴走しているものを観れば、それは観客として置いてかれた感があります。作品に忠実に心を揺さぶる演技ができる俳優の「技術」は本当にすごいなぁと尊敬ですし、これからの観劇が益々楽しみになりました。

 

■総じて

何よりも、終わった後、「お芝居が楽しい!」「もっと上達したい!」という気持ちが芽生えました。

・今回のきっかけをくださり、終始の励ましと相談にのっていただいた大先輩NKさん

Prayers Studioさん、講師の蔭山恵美さん(かげちゃん)

・共演者のみなさん

本当にありがとうございました。

 

■写真

▼本番の舞台セット

▼「読む人」な私

▼NKさんからいただいた勇気と労い。めちゃめちゃパワーをもらいました。

(了)