観劇と俳優体験 の「ドラマトライアル」へ参加しました | 「演劇」の世界を通してみえるもの

「演劇」の世界を通してみえるもの

インターネット業界で働く会社員の傍らで役者修業中。「演劇」が、単なる娯楽ではなく、生活に密接し、活力を与えてくれるものとして魅了されている中、そこからみえる世界を徒然に綴ります。

演劇団体「Prayers Studio」さんの主催する、「ドラマトライアル」へ参加しました。

 

■「ドラマトライアル」とは?

1)プロの俳優さんによるお芝居の上演

2)観客と感じたことをシェアし合う

3)観客が実際の台本を読んで演じてみる

がセットになった体験型演劇です。

 

お芝居の上演後、その場で初めましての観客の方と感じたことや考えたことをシェアし合いました。そして、お芝居の役の心情を想像し、思いを巡らせながら、実際の台本の一部分を、観客が演じてみるというものです。主催者の方々が、演技をする上で必要なメソッドをナビゲートしてくださり、即興で1シーンを作り上げます。演じる体験ができるのは、人数の都合上絞られるのですが、私は運よく(じゃんけんに勝って)選んでいただきました。

 

■演目「おやすみ、母さん」

今回の演目は、マーシャ=ノーマンによる戯曲「おやすみ、母さん」でした。1983年にブロードウェイで初演された作品で、同年のピューリッツァー賞を受賞しています。登場人物アラフォーの「娘」とアラ還な「母」の2人芝居で、今回、私が参加した回(3/1)は、母セルマを妻鹿ありかさん、娘ジェシーを蔭山恵美さんが演じました。芝居の内容は、とある日の夜20時~22時の間に、娘ジェシーが「あること」を実行しようとします。そこで母セルマがそれを阻止しようとする中で、2人のこれまで歩んできた人生の選択、取り巻く人々との関係から、人間のもがき、葛藤が描かれています。

 

↑「おやすみ、母さん」のセットの一部です。実際の台所も使いつつリアルな演技が繰り広げられました。

 

↑照明のインテリアもいい感じに使われています。

 

↑お芝居上で使われる懐かしの「黒電話」!

 

■お芝居とはモノマネにあらず

私は、演技の勉強をする前は、台本の暗記と、いかに感情を込めてセリフを言うのか、だと思っていました。それは、違っていて、芝居を通じたコミュニケーションとは、ただ台本のセリフを言い合うのではなく、台本に書かれている目的を理解し、相手の表情を観察し、それで自分がどう感じたか、感じてどういう行動を促したいかでお芝居が成立するのだということを、ここでのワークで知ることになりました。意思・感情・思考を芝居上で伝達し合うこと、それはすなわち、役の心を感じ、芝居の世界に入っていくという非日常体験そのものが、演劇の魅力なのだとあらためて思うのでした。

 

■チラシ